|
Amoeba (Amoeba分散オペレーティングシステム、The Amoeba Distributed Operating System) は、マイクロカーネルの設計思想に基づいたオープンソースの分散オペレーティングシステム (分散OS) である。 オランダのアムステルダム自由大学のアンドリュー・タネンバウム教授、および彼の研究室の博士課程の学生であった Frans Kaashoek 、Sape J. Mullender 、Robbert van Renesse などの人々によって、開発された〔A. S. タネンバウム ほか (1995) p.667〕。 Amoebaプロジェクトの主な目標は、ネットワークにつながった複数のコンピュータ全体を、あたかも一つのコンピュータシステムであるように利用者が扱えるような、タイムシェアリングシステム (TSS) を構築することであった。 第2の目標は、分散型の並列プログラムを作成するための基本実験環境を提供することであった〔A. S. タネンバウム ほか (1995) p.669〕。 == 概要 == 1983年までに、最初のプロトタイプである Amoeba 1.0 が使用可能になった〔A. S. タネンバウム ほか (1995) p.667〕。 数年後に、欧州共同体 (EC) の後援を受けて広域分散システムのプロジェクトとして、欧州各国の各サイトで使われるようになった〔A. S. タネンバウム ほか (1995) p.667〕。 このときのバージョンは、Amoeba 3.0 であった。 Amoebaは、C言語を使って開発された〔A. S. タネンバウム ほか (1995) p.669〕。 Amoebaは、およそ5年の期間にわたり、学術組織、企業、各国の政府組織などの人々によって、利用された。 Amoebaの開発は、現在は停止しているようである。 最新バージョン (5.3) を構成するファイルの最終更新日付は2001年2月12日である。 Amoebaは、複数のプラットフォームで動作する。 動作するプラットフォームには以下のものが含まれる。 * SPARC * Intel 80386 * Intel 486 * MC68030 * Sun-3/50 * Sun-3/60 * VAX Amoebaでは、複数の異なるプラットフォームのコンピュータ群を、あたかも一つのコンピュータシステムであるかのように、構成できる。 Amoebaの利用者は、ハードディスクを備えていないコンピュータを通してもAmoebaを使うことができる。 Amoebaを構成する他のコンピュータは、必要に応じていくつかのプロセサを提供する。 Amoebaにおいては、プロセサはプロセサ・プールに配置される。 プロセサ・プールは多くのプロセサから成っている。 プロセサ・プールに含まれるプロセサは、おのおの異なるアーキテクチャであってよい。 また、プロセサ・プールに含まれるプロセサは地理的に分散していてもよく、異なる国々に配置されていてもよい。 プロセサは、プロセサ・プールから必要に応じて提供され、必要がなくなれば解放 (返却) される。 ファイルサーバのサービス、ディレクトリサービス、データベースのような専用のサービスは、専用のコンピュータが提供することが多い。 Amoebaを利用するための端末は、典型的には大きなビットマップディスプレイとマウスを備えたX端末である。 アムステルダム自由大学では、およそ80のSPARCのコンピュータでAmoebaを構成しており、おのおののコンピュータはイーサネットでネットワークを構成していた。 Amoebaは、オブジェクトに基づいた思想で設計されている。 Amoebaにおけるオブジェクトは抽象データ型である。 Amoebaを構成するおのおののオブジェクトは、それぞれが何らかの能力をAmoebaに提供する。 おのおののオブジェクトは、アプリケーションソフトウェアからは、遠隔手続き呼び出し (RPC、リモートプロシージャコール) を通して利用される。 セキュリティについては Capability-based security のコンセプトにもとづいており、オブジェクトは、ケーパビリティ (capability) という特別なチケットを用いた均一な方法で命名、保護される〔A. S. タネンバウム ほか (1995) p.675〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「Amoeba (オペレーティングシステム)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|